正ちゃんがこんなに美味だとは知らなかったのです!
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2-3
2008-03-13 Thu 07:41
 その時、炎の中で何かが動いたと思った刹那、男の右肩に熱い感覚に囚われた。その熱さは次第に灼けるような痛みに変わり、湿った音を立てて自分の赤黒い鮮血を捲き散らす。左手で咄嗟に痛みの場所を握ると右肘から上のあたりまでの部分が丸ごと千切れていたのが解った。
 炎に照らされた中で緑色の鱗に覆われた牛頭人体の化生が自分の右肘を美味そうに囓ると何処かへと飛び去っていった。男は自分の衣服で傷を縛り止血すると煤にまみれた腕輪を懐にしまうと飛び去った方向へと物凄い勢いで走りだした。行くべき場所など知る由も無く――。
 ただ一つの場所に留まり朽ちるよりは少しでも自分にとっての仇へと近づく事で自分の憤りを晴らしたいと男は考えた。
 枯れた木の群生する森の中を走る中で男は自分の両親の事、そして愛しい嫣舜の事を走馬燈のように思いだしていた。村は遙か遠く、辺りは闇に包まれただ自分の枯葉を踏む音と猛禽類の声だけが寂しく木霊していた。
 男の走ってきた後には大きく間隔が空いた血痕が標され、男の喉は渇きまるで張り付いたような感覚に囚われる。思考は鈍く、そしてどうしようもない寒さに囚われていた。
 視界が少しずつ狭くなっていく中で男はぼんやりと淡く光る中で女性のような影を見た。
「――嫣舜。」
男がそう呟き影に向かって手を伸ばしたが、そのまま意識が途絶え、無限にも続くような浮游感の中へと堕ちていった――。
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